プロ野球2023年シーズンが終了。今年も各地で熱戦が繰り広げられました。そんなシーズン終了時に気になることといえば、タイトル争い。どんなタイトルがあるの?どうやって決まるの?という疑問にお答えするために徹底的に解説していきます。
文中に私の予想(9/7時点)を残しておきましたので、シーズン終了後の結果と答え合わせをしましょう!あまり自信はありません。。。
まとめ
- 投手タイトル6種類、打者タイトル6種類、その他5種類
- 選出方法は成績によるものと、記者投票によるもの
- MVP最多受賞は王貞治の9回(2位は長嶋茂雄、野村克也の5回)
投手タイトル
最優秀防御率
■1年間で最も防御率が低い選手が受賞。(最も点を取られなかった投手)
■条件:規定投球回数(チーム試合数×1イニング)以上登板していること
■賞金:100万円
■予想:セ・床田寛樹(広島) パ・山本由伸(オリックス)
■結果:セ・村上頌樹(阪神)1.75 パ・山本由伸(オリックス)1.21
■過去最高シーズン記録(2000年シーズン以降)
リーグ | 選手名 | 球団 | 記録 | 年 |
セ・リーグ | 前田健太 | 広島 | 1.53 | 2012 |
パ・リーグ | 田中将大 | 楽天 | 1.27 | 2011 |
勝利数はチームの得点能力が影響するため、投手としては防御率が最も評価されるべきタイトルだと感じます。このような投手がいると、監督としては安心して試合に臨めますよね。
最高勝率
■1年間で最も勝率が高い選手が受賞(最も貯金を作れる投手)
■条件:シーズン13勝以上(規定投球回数は条件外)
■賞金:100万円
■予想:セ・東克樹(DeNA) パ・山本由伸(オリックス)
■結果:セ・東克樹(DeNA).842 パ・山本由伸(オリックス).727
■過去最高シーズン記録(2013年シーズン以降)
リーグ | 選手名 | 球団 | 記録 | 年 |
セ・リーグ | 菅野智之 | 巨人 | .875 | 2020 |
パ・リーグ | 田中将大 | 楽天 | 1.000 | 2013 |
エースは貯金が作れる投手。10勝しても10敗していたら意味がないという所以がこの最高勝率に現れます。2013年24勝0敗というモンスター級の記録を残したマー君。この記録は永遠に語り継がれるでしょう。
最多勝
■1年間で最も多く勝利投手となった選手が受賞
■条件:特になし(規定投球回に達していなくても可)
■賞金:100万円
■予想:セ・東克樹(DeNA) パ・山本由伸(オリックス)
■結果:セ・東克樹(DeNA)16勝 パ・山本由伸(オリックス)16勝
■過去最高シーズン記録(2000年シーズン以降)
リーグ | 選手名 | 球団 | 記録 | 年 |
セ・リーグ | 井川慶 | 阪神 | 20勝 | 2003 |
パ・リーグ | 田中将大 | 楽天 | 24勝 | 2013 |
最多勝を受賞するような投手は、投球テンポがよく攻撃への流れを生み出すことができているといえます。そのようなエースと呼ばれる投手がいる球団は大崩れすることがなく、必然的に上位争いをしていることが多いと感じます。
セーブ王
■1年間で最も多くセーブ数を記録した選手が受賞
■条件:特になし
■賞金:100万円
■予想:セ・マルティネス(中日) パ・益田直也(ロッテ)
■結果:セ・岩崎優(阪神)35セーブ パ・松井裕樹(楽天)39セーブ
■過去最高シーズン記録(2000年シーズン以降)
リーグ | 選手名 | 球団 | 記録 | 年 |
セ・リーグ | 岩瀬仁紀 | 中日 | 46セーブ | 2005 |
藤川球児 | 阪神 | 46セーブ | 2007 | |
パ・リーグ | サファテ | ソフトバンク | 54セーブ | 2017 |
最終回、試合に幕を下ろすためマウンドに現れる各球団の守護神。プレッシャーのかかる場面を抑えるためには相当な精神力が必要です。セーブ王を獲得する選手は球界随一の精神力の持ち主といえるでしょう。
最優秀中継ぎ
■1年間で最も多くホールドポイント数を記録した選手が受賞
■条件:特になし
■賞金:100万円
■予想:セ・清水昇(ヤクルト) パ・ぺルドモ(ロッテ)
■結果:セ・島内颯太郎(広島)42ホールド パ・ぺルドモ(ロッテ)42ホールド
■過去最高シーズン記録(2005年シーズン以降)
リーグ | 選手名 | 球団 | 記録 | 年 |
セ・リーグ | 浅尾拓也 | 中日 | 59ホールド | 2010 |
パ・リーグ | 増井浩俊 | 日本ハム | 50ホールド | 2012 |
あまり目立たない役割の中継ぎ投手ですが、毎日ブルペンで準備をして登板しない日もあることを考えると、より評価されるべきだと感じます。先発投手の失点1と、中継ぎ投手の失点1は意味合いが大きく異なるため中継ぎ投手の凄さを一人でも多くの方に知っていただきたい。
最多奪三振
■1年間で最も多く奪三振数を記録した選手が受賞
■条件:特になし
■賞金:100万円
■予想:セ・今永昇太(DeNA) パ・山本由伸(オリックス)
■結果:セ・今永昇太(DeNA)174 パ・山本由伸(オリックス)169
■過去最高シーズン記録(2000年シーズン以降)
リーグ | 選手名 | 球団 | 記録 | 年 |
セ・リーグ | 井川慶 | 阪神 | 228 | 2004 |
パ・リーグ | ダルビッシュ有 | 日本ハム | 276 | 2011 |
ピンチでここは三振が欲しいなぁという場面。狙い通り三振がとれると思わずガッツポーズしますよね。最多奪三振タイトルを受賞した選手は全員ガッツポーズがお似合いです。
打者タイトル
首位打者
■1シーズン終了後で最も打率の高い選手が受賞
■条件:規定打席(チーム試合数×3.1)以上打席に立っていること
■賞金:100万円
■予想:セ・宮﨑敏郎(DeNA) パ・頓宮裕真(オリックス)
■結果:セ・宮﨑敏郎(DeNA).326 パ・頓宮裕真(オリックス).307
■過去最高シーズン記録(2000年シーズン以降)
リーグ | 選手名 | 球団 | 記録 | 年 |
セ・リーグ | 内川聖一 | 横浜 | .378 | 2008 |
パ・リーグ | イチロー | オリックス | .387 | 2000 |
プロ野球界の首位打者といえばイチロー選手。イチロー選手はなんと7年連続首位打者を獲得しています。卓越したバットコントロールを見ると、ヒットが簡単そうに見えてしまうのは私だけではないはずです。。。
最多安打
■1シーズンで最も多く安打数を記録した選手が受賞
■条件:特になし
■賞金:100万円
■予想:セ・岡林勇希(中日) パ・柳田悠岐(ソフトバンク)
■結果:セ・中野拓夢(阪神)、牧秀悟(DeNA)164 パ・柳田悠岐(ソフトバンク)163
■過去最高シーズン記録(2000年シーズン以降)
リーグ | 選手名 | 球団 | 記録 | 年 |
セ・リーグ | マートン | 阪神 | 214 | 2014 |
パ・リーグ | 秋山翔吾 | 西武 | 216 | 2015 |
1994年イチロー選手が史上初のシーズン200安打を達成したことをきっかけに誕生したタイトル。ちなみに200安打達成者は過去6人しか誕生していません。(イチロー、青木宣親、ラミレス、マートン、西岡剛、秋山翔吾)
ホームラン王
■1シーズンで最も多く本塁打を記録した選手が受賞
■条件:特になし(規定打席に達していなくても可)
■賞金:100万円
■予想:セ・岡本和真(読売) パ・浅村栄斗(楽天)
■結果:セ・岡本和真(読売)41 パ・ポランコ(ロッテ)、近藤健介(ソフトバンク)、浅村栄斗(楽天)26
■過去最高シーズン記録(2000年シーズン以降)
リーグ | 選手名 | 球団 | 記録 | 年 |
セ・リーグ | バレンティン | ヤクルト | 60 | 2013 |
パ・リーグ | ローズ | 近鉄 | 55 | 2001 |
カブレラ | 西武 | 55 | 2002 |
子供たちのあこがれホームラン王。過去最高記録は外国人選手が保持していますが、各球団のファンは日本人選手の大砲を期待しているのではないでしょうか。近年では流行語大賞(村神様)にもなった村上宗隆選手が常連としてタイトル争いに参戦しています。
打点王
■1シーズンで最も多く打点を記録した選手が受賞
■条件:特になし
■賞金:100万円
■予想:セ・岡本和真(読売) パ・柳田悠岐(ソフトバンク)
■結果:セ・牧秀悟(DeNA)103 パ・近藤健介(ソフトバンク)87
■過去最高シーズン記録(2000年シーズン以降)
リーグ | 選手名 | 球団 | 記録 | 年 |
セ・リーグ | 今岡誠 | 阪神 | 147 | 2005 |
パ・リーグ | 中村紀洋 | 近鉄 | 132 | 2001 |
いくらヒットを打っても得点が入らなければ勝てないのが野球。打点王はチャンスに強く、チームの勝利に大きく貢献していると言えます。勝負強いバッターは相手チームからするととても怖い存在ですよね。
最高出塁率
■1シーズン終了後で最も出塁率が高い選手が受賞
■条件:規定打席(チーム試合数×3.1)以上打席に立っていること
■賞金:100万円
■予想:セ・宮﨑敏郎(DeNA) パ・近藤健介(ソフトバンク)
■結果:セ・大山悠輔(阪神).403 パ・近藤健介(ソフトバンク).431
■過去最高シーズン記録(2000年シーズン以降)
リーグ | 選手名 | 球団 | 記録 | 年 |
セ・リーグ | 丸佳浩 | 広島 | .468 | 2018 |
パ・リーグ | 柳田悠岐 | ソフトバンク | .469 | 2015 |
ヒットだけではなく四球を多く選ぶ選手が最高出塁率のタイトルを獲得しています。ヒットも四球も塁に出るという点では同じ。出塁率の高い選手がチームにいると、それだけ得点チャンスが生み出されるということです。
盗塁王
■1シーズンで最も多くの盗塁を記録した選手が受賞
■条件:特になし(規定打席に達していなくても可)
■賞金:100万円
■予想:セ・近本光司(阪神) パ・小深田大翔(楽天)
■結果:セ・近本光司(阪神)28 パ・周東佑京(ソフトバンク)、小深田大翔(楽天)36
■過去最高シーズン記録(2000年シーズン以降)
リーグ | 選手名 | 球団 | 記録 | 年 |
セ・リーグ | 赤星憲広 | 阪神 | 64 | 2004 |
パ・リーグ | 本多雄一 | ソフトバンク | 60 | 2011 |
ただ足が速いだけではなく技術も重要な盗塁。盗塁が得意なランナーを背負うだけで、ピッチャーへのプレッシャーは相当なものです。主要タイトルのうち、セ・リーグでは外国人選手が唯一受賞していないタイトルだそうです。
その他タイトル
MVP(最優秀選手賞)
■その年に最も活躍した選手が受賞
■選出方法:記者投票によって選出(約300名の記者が対象となる)
■賞金:300万円
■予想:セ・岡本和真(読売) パ・山本由伸(オリックス)
■結果:セ・村上頌樹(阪神) パ・山本由伸(オリックス)
■過去最多受賞
リーグ | 選手名 | 球団 | 受賞回数 |
セ・リーグ | 王貞治 | 読売 | 9 |
パ・リーグ | 野村克也 | 南海 | 5 |
その年最高プレーヤーとしての称号。基本的には優勝チームから選出されますが、例外的に圧倒的な記録を打ち立てた選手が受賞するケースもあります。各シーズン受賞者の顔ぶれをみると、その年の戦いが思い出されますね。それにしても王さんの9回受賞は今後更新されることはないでしょう。。。
新人王
■その年に最も活躍した新人選手が受賞
■条件:海外のプロ野球リーグに参加経験なし、支配下選手に登録されてから5年以内、【投手】前年まで1軍登板投球回30以内、【野手】前年まで1軍打席数60以内
■選出方法:記者投票によって選出(該当者無しの場合もある)
■賞金:100万円
■予想:セ・村上頌樹(阪神) パ・山下舜平太(オリックス)
■結果:セ・村上頌樹(阪神) パ・山下舜平太(オリックス)
■過去最多受賞球団(2000年シーズン以降)
リーグ | 球団 | 受賞回数 |
セ・リーグ | 読売 | 6 |
パ・リーグ | 日本ハム、ロッテ | 5 |
新人王はどんなに偉大な選手でも1度しか受賞チャンスがないと思えば、価値のあるタイトルですよね。応援している球団の選手が受賞すると喜びはひとしお。今後も応援を続けたくなること間違いなし。
沢村賞
■その年に最も活躍した先発完投型投手が受賞
■選考基準(すべてクリアしていなくても可)
・登板試合数:25試合以上
・完投試合数:10試合以上
・勝利数:15勝以上
・勝率:6割以上
・投球回数:200イニング以上
・奪三振:150個以上
・防御率:2.50以下
■選出方法:プロ野球元先発投手OBによる「沢村賞選考委員会」の審議によって選手
■賞金:300万円
■予想:山本由伸(オリックス)
■結果:山本由伸(オリックス)3年連続3度目
■過去最多受賞球団(2000年シーズン以降)
球団 | 受賞回数 |
ソフトバンク | 4(摂津、斎藤2回、杉内) |
戦前の日本プロ野球界大投手、沢村栄治の功績を称えて創設された賞。2023年に山本投手が受賞するとなんと3年連続受賞の偉業。発表が今から待ち遠しいです。
ベストナイン
■その年に各ポジションで最も好成績を残した選手が受賞
■条件:セ・リーグ9名、パ・リーグ10名(DH含む)が選出
■選出方法:記者投票によって選出
■賞金:50万円
その年のポジション別最強選手として表彰されるタイトル。突出した成績でなくとも、1年間を通して活躍していたという証が残されるのはファンとしても非常にうれしいですよね。ちなみにNPB公式サイトでは得票数まで公開されています。
ゴールデングラブ
■その年に各ポジションで最も守備能力が高い選手が受賞
■条件:投手(規定投球回以上、またはチーム試合数1/3以上登板)、野手(チーム試合数1/2以上出場)
■選出方法:記者投票によって選出
■賞金:50万円
ベストナインと似ていますが、守備に注目した中での表彰。年間143試合行うプロ野球において、ミスが少ないということはとても重要な視点。ゴールデングラブ賞選手の守備はずっと見てられますね。ちなみにNPB公式サイトでは得票数まで公開されています。
最終試合まで目が離せない
いかがでしたでしょうか。ひとつずつ見ていくとかなりの種類があるタイトル。1シーズン優勝を目指して戦うのがペナントレースですが、順位に関係なくタイトル争いに注目してみても、最後の1試合まで楽しめること間違いなしです。NPBではシーズン終了後に「NPB AWARDS」という年間表彰式が催されます。選手たちの表情やコメントなど、1年間を振り返る最高の瞬間をぜひお楽しみください。
◇NPB AWARDS 2023 (2023/11/28)